ホームページのリニューアルは工数がとても多かったり、制作会社とWeb担当者、SEO担当者の認識に差があったりして、重要なSEO対策が抜け落ちてしまうことがよくあります。せっかく積み上げてきたサイトの評価を落としてしまう、ということにならないよう、今回はサイトリニューアルを行う際のSEO上注意すべきポイントを具体的にご紹介していきます。
ホームページのリニューアル時に、「検索流入を失いたくない」、「SEOの効果を今以上に出したい」と思われている担当者の方はぜひご一読ください。
目次
ホームページを長く運営しているとリニューアルの必要性が出てきます。リニューアルを検討するタイミングや動機は企業によっても様々です。よく聞かれるリニューアルの動機には以下のようなものがあります。
リニューアルの目的を明確にした上で、SEOの目標も立てておくことで方向性がぶれることなく進めることができます。SEOに関連した目標としては以下のようなものもあります。
サイトリニューアルのメリットデメリットについても知りたい方はこちらの記事もご参考に
企画・構成
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ワイヤーフレーム
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デザイン
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コーディング
まずはリニューアルの範囲を決め、どういうホームページにするかを設計します。そしてワイヤーフレームという、ページのレイアウトを定める設計図を作成します。SEOに関する検討は「企画・構成」の段階から始まっています。
本格的なホームページのリニューアルの場合には半年から1年程度の期間がかかります。特にSEO対策を意識したリニューアルであれば、その後の効果測定と改善が重要です。サイトを育てていくという意識をもって進め方を考えましょう。
SEOを考慮したリニューアルを確実に集客アップに結びつけるために、どういったことに気をつけていけばいいのでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。
読まれていないコンテンツなど大幅に削ると検索エンジンの評価対象が減ってしまいます。コンテンツを削除するのではなく、情報を分けたり、見せ方を変えたり、と内容を絞りすぎないようにしましょう。
コンテンツはSEOにおいて最も重要な要素です。デザインやURLが変わってもコンテンツ量は維持しましょう。
サイト内のページとページをつなぐ内部リンクはGoogleのクローラーが巡回するのを助ける役割があります。内部リンクには、テキスト文章中からのリンク、共通コンテンツからのリンク、パンくずリストといったものがあります。
内部リンクが旧サイト内で適切に張り巡らされている状態であれば、リニューアルした新サイトでもその状態を維持しておくことが重要です。
ページごとにキーワードを決めますが、それぞれのページ内容に合ったtitleタグ、descriptionタグ、見出しタグを必ず設定しましょう。
titleタグ、descriptionタグはページごとに対策キーワードを含めた内容にします。見出しタグは重要な見出しからh1、h2、h3と順番にマークアップしていくことが大切です。
XML形式のサイトマップはクローラーが見るサイトマップとも呼ばれ、多くの情報をクローラーに伝え正確なクロールされやすくする役割があります。
コンテンツ内容がより認識されやすくなりインデックスの促進につながります。Google Search Consoleでサイト公開時に必ず送信するようにしましょう。
ホームページのスマホ対応をする際、レスポンシブデザインを採用する場合(PC版とスマホ版のURLを同じにする)とPC版とスマホ版を別ページでつくる2種類の方法があります。
後者の、PC版とスマホ版でURLが異なる場合は検索エンジンに対して「このURLとあのURLは、PCとSP(スマホ)で対応しているページですよ」ということをcanonical/alternateを記述して伝える必要があります。Googleはレスポンシブデザインを推奨しているので、レスポンシブデザインを採用することをおすすめします。
Googleからのインデックスを拒否している(noindex)ケースがまれにあります。特にWordpressの場合、設定画面でインデックスを簡単に拒否することができます。
テスト環境の設定をそのまま引き継いでしまったときなどに起きます。リニューアル後に必ず確認しましょう。
対応するページがなくなる場合には、トップページにリダイレクトせず、404の設定をしておきましょう。404とは存在しないページにユーザーが訪れた場合に表示するエラーメッセージです。
シンプルな英文メッセージだけが表示されるサイトが多いのですが、それだとユーザーが離脱してしまうので、他ページとデザインを揃えたり、404ページだとわかる文言にしたり、しっかりとデザインすることも大切です。
パンくずリストはユーザーが「自分は今サイトのどこにいるんだ?」と悩ませないための道しるべです。
ユーザーの利便性を高める重要なナビゲーションなので、特別な理由がない限り必ず設置しましょう。
URLやドメインが変更されるリニューアルでは特に注意が必要です。たった一つの設定ミスでアクセスが激減したということになりかねません。漏れなく必ずやっておきましょう。
「旧ページが新ページに変更した」ということを検索エンジンに伝えなければなりません。もっともよく使われるのが「301リダイレクト」です。ページを恒久的に移転先へ転送することを意味します。
旧サイトのページ評価をしっかりと引き継ぐためにも重要な設定です。またリダイレクト先をすべてTOPページに設定したり、302リダイレクト設定(一時的な転送)をしたりしないように気をつけてください。
ドメインそのままのときは問題ないのですが、ドメインそのものを変更した際には、Google Search ConsoleやGoogleアナリティクスなどのツールも設定し直さなければなりません。
特にGoogle Search Consoleからドメイン変更を通知すると、掲載順位への影響を最小限に抑えて移行することができます。
ドメイン変更を伴うサイトリニューアルの後、内部リンクのURLも新しいURLに書き換える必要があります。
リダイレクトがきちんと行われていれば大きな問題はないのですが、リダイレクトを挟むことでページ移動の時間がかかってしまいます。内部リンクについても、できるだけ新URLに書き換えるようにしましょう。
SSL(Secure Sockets Layer)とは、インターネット上におけるWebブラウザとWebサーバー間でのデータ通信を暗号化し、送受信させる仕組みのことです。個人情報が悪意ある第三者による盗聴や情報改ざんを防ぐ役割があります。
リニューアルのタイミングでSSLを適用するケースも多くあります。SSLを適用するとURLが「http://~」から「https://~」に変わります。そのままにしておくと評価が分散してしまうので、http://からhttps://に必ずリダイレクトしておきましょう。
サイトリニューアルをしようと思う動機でもありますが、現在のサイトの何か問題なのか、抱える課題は複数あることが多いものです。
リニューアルの目的があいまいにならないようにするために、しっかりと現状を把握し、整理しておきましょう。
目的を明確にしないままリニューアルを行っても効果は得られません。この部分を曖昧にしたままだと、制作会社から良質な提案は受けられません。なぜサイトリニューアルを行うのか、という目的をもって望みましょう。また最終目標は具体的な数値に落とし込んでおきましょう。
KGI、KPIの設計について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考に。
ホームページ内に多くの課題があったとしても一度に大きな変更は避けたほうがよいでしょう。段階を踏んで継続的に行う必要があります。
サイトの流入や目標達成に向けて、リニューアルが完了してから行う施策とスケジュール感を持っておくことが大切です。
開発担当や制作会社が「そんなに重要ではないだろう」と判断したせいで実装漏れが発生し、大幅なアクセス減を引き起こしてしまうのも、ホームページリニューアルにはよくある失敗です。
現在のサイトで考えられるSEO視点での課題は何か、今回のサイトリニューアルのSEOで重要なポイントは何か、など説明を求めてみてください。専門用語ばかりでなく、わかりやすく回答をしてくれる会社であれば大丈夫でしょう。
サイトのページ数やSEOの難易度により金額は変わりますが、費用相場は100万円~300万円ほどです。SEOを考慮するため、事前の調査や分析も入念に行うため、費用も上がります。そのため、しっかりと事前準備・制作会社選びを行うことが大切です。
リニューアルの規模によって、制作会社によっても費用は大きく幅があるので、何社から見積もりを取ることをおすすめします。
SEOに強いホームページ制作会社の選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考に。
せっかくのホームページリニューアルで、サイトに悪い影響を及ぼさないよう、チェックすべきポイントをご紹介してきました。リニューアルはホームページのSEOを見直す良い機会でもあります。その機会を最大限に生かし、それぞれの項目をひとつひとつチェックすることで、これまで積み上げてきたホームページの評価を新サイトにきちんと引き継いでください。
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