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結論から言えば、更新頻度によるSEO対策上の効果はありません。
しかし、WEBで検索をすると、「更新頻度は効果なし」とするサイトも、「更新頻度は効果あり」とするサイトもあります。これはどういうことなのでしょう?
双方に共通することは、質の低い更新には意味がない、むしろマイナス。ということです。
例えば、日付だけ更新する、画像だけ変える、どこかの一行だけ変える…
のような、更新頻度を稼ぐだけが目的のような更新は、Googleからの評価を下げる可能性が高く意味がありません。
これに対し、ブログなどで質の高いコンテンツを頻度高く更新できれば、それは当然効果的でしょう。
また、YouTuberのように、毎日のように更新することで、オーディエンスの興味関心を短いスパンで喚起し、市長習慣化させて視聴回数を稼ぐ手法は、機械的な検索ロジックにはあまり影響がありませんが、コアなファンを獲得する、という戦略からは最適でしょう。
話題性のあるタイムリーなテーマに対しては、最新情報が重視されるため更新頻度を重視したほうがいいかもしれません。
ですが、これらはすべて、ユーザーにとって質の高いコンテンツを適切なタイミングで提供する、という文脈に沿った戦略であり、先ほど挙げたような更新頻度だけを高める戦略とは一線を画します。
つまり、本質的にユーザーに価値を提供しようとした結果、更新頻度が高くなることは効果的ですが、そうでない場合は効果がない、ということができるでしょう。
一般的に、更新頻度がSEO対策に効果があるか?
という問いは、「更新頻度を手軽に稼げばSEO上もいい効果があるのでは?」という問いに言い換えることができますので、冒頭の結論通り、更新頻度によるSEO対策上の効果はないということになりますし、検索アルゴリズムが質重視にシフトしている現在、そのような発想自体が、SEO上マイナスになると考えたほうがよいでしょう。
GoogleのJohn Mueller氏は、Twitter上で様々な質問に対して答えていますが、その中でも日付だけを更新することに対して否定的な見解を示し、古いコンテンツを再ラベリングしただけだと、信頼性が損なわれる、と発言しています。そもそも、Googleが最も重要視している「Googleが掲げる10の事実」の冒頭が「1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」ですので、この事実に反する更新はマイナスになると考えたほうがよいでしょう。
更新頻度がSEO上効果がないからと言って、更新しなくてもよい、ということではありません。ここまででもしばしば触れてきたように、ユーザーにとってより価値のあるコンテンツに更新するならば、それは価値があります。では、どのようなコンテンツが価値が低いと判断されるのでしょう?
ここでは、具体的にケースごとに確認していきましょう。
Googleの提供する「Search Console」などの、検索キーワード調査ツールを活用し、キーワード順位が11位以下や順位が付かなくなっている記事を特定しましょう。これを質の高い(検索され、ユーザーにとって価値の高い)ページにリライトするために、まさにそのようになっている競合のページを確認します。
確認方法は、先ほどのキーワードで実際に検索を行い、上位に表示されるページの内容を確認すればよいでしょう。そして、それらのページで扱われているテーマ、情報、キーワードなどを参考に自分のページをリライトします。
読まれていないページもリライトの対象となります。
どの記事が読まれていないかを判断するためには、Googleアナリティクスなどで、そのページへの来訪者数や平均滞在時間、離脱率などを把握すればよいでしょう。コンテンツ内のどの部分がネックとなっているかを知るためには、ヒートマップなどの可視化ツールを活用しましょう。
このようなページは、読まれていない部分を集中的に回収することで改善が見込める場合もありますし、そもそもそのページを他のページと統合したり、廃止したりする場合もあります。
このような対策の判断を行う際には、「なぜ読まれないのか?」を、コンテンツそのもののクオリティや、外部要因(トレンドや技術革新)などを確認しましょう。
掲載情報が古い場合は、最新の情報に書き換えて更新しましょう。
ここでいう掲載情報の古さとは、法制度の改定により現状とそぐわない内容になった、技術革新や新しい理論の提唱により意味がなくなった、トレンドと合わない、などです。
時間的な古さは、かならずしも情報が古いことを指さないことに注意してください。
サイト運営を長く行っていると、重複した内容のコンテンツが増えていくことがあります。
内容的に重複しているコンテンツは、最悪スパムとして認識される恐れがあるだけでなく、古いコンテンツは検索からの流入が減ることも多く、非効率で、ユーザーに対しても不親切な構造になってしまうことがあります。
そのような場合は、もっとも見られているページに、重複しているページの情報を統合して整理します。
ただ、この場合注意しなければいけないポイントが3つあります。
1つ目は、検索以外での流入の確認です。
先ほど、検索からの流入と書きましたが、古いページでも、外部からのリンクなどによって流入がある場合もあります。そのページが本当に非効率的なページなのか、複数の観点から確認しましょう。
2つ目は、内部リンクの統制です。
内部リンク構造は、特に運営期間が長いサイトほど複雑である傾向があるようです。場合によっては、当初作成した担当者が退職などで社内におらず、よくわからないまま運用されていることもあるようです。
ですので、統合対象となった重複のあるページが、内部の他のどのページとリンクされているかを必ず確認しましょう。
3つ目は、301リダイレクトの活用です。
301リダイレクトとは、既に存在しないURLをユーザーが訪れた場合、一定時間で新しいURLに誘導するものです。この設定によって、万が一旧ページを訪れたユーザーがいたとしても対応することができます。
Googleとしても、不正なリダイレクトのガイドラインの中で「別の URL へのリダイレクトには正当な理由がある場合もあります。たとえば、サイトを新しいアドレスに移転した場合や、複数のページを 1 つに統合した場合などです。」と述べており、複数のページを一つに統合した場合の301リダイレクトの活用は不正ではない、と判断しているようです。
ここまで繰り返し述べてきたように、重要なことは更新頻度の高さではありません。
自社のホームページを管理する中で、その一つ一つがページを価値ある、質の高いものであるよう管理運営すること、そして、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供していくことこそが重要であり、その結果として更新頻度の高さがあるのでしょう。
Googleによる検索アルゴリズムのアップデートも、キーワード、タイトル、ページ内容のマッチングや、ページそれぞれの連携といった、文脈の整合性やコンテンツそのものの質を重視するように変わっています。そして、このような検索アルゴリズムのアップデートは定期的に行われますので、更新頻度のコントロール戦略も、それにアジャストした形にしたいものです。
ただ、更新頻度をひとつの指標やKPIとしておくことには、それなりの意味もあります。
コンテンツは、一度作ってしまうと少々問題があっても放置されがちであり、またWEB担当者の状況によっては(ワンオペ管理、専門家ではない社員が担当している、など)、放置され、SEO的にマイナスになってしまうこともあります。そのような事態を防ぐアラートとして、更新(確認)頻度の指標を持つことは有効でしょう。
2000年代~2010年代前半までのホームページ運営では、とにかく更新頻度を稼ぐ、キーワードを入れられるだけ入れる、などのSEO対策が有効でした。ですので、その時代を知る方々の中には、まだそのような対策が有効と考える方もいるかもしれません。
ですが、検索アルゴリズムの核となる、自然言語処理技術のアップデートにより、サイト全体や文章の整合性が高く評されるようになっています。
これは、検索アルゴリズムの死角を突くような、表面的な、場合によってはチートのような手段(トップページに検索キーワードを羅列するような)でのSEO対策がほとんど不可能になっていくことを意味し、よりユーザーにとって重要なコンテンツが評価されるということです。
このようなトレンドに対応し、価値あるコンテンツを生み出していってください。
それこそが、最高のSEO対策になります。