今回は発信者目線ではなく、読み手にとっていい文章とは何?という問いから、読み手に届く文章の書き方を解説していきます。自社のオウンドメディアやブログで読者を完読に導きたいと思っている方はぜひご一読ください。
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読者から見ていい文章とはどんな文章でしょう。「わかりやすい」「テンポがいい」「面白い」などいろんな特徴がありますが、いい文章とは、これらを全て包み込んでしまう「最後まで読み通してしまう文章」ではないでしょうか。途中で読むのをやめることなく、結局最後まで読んで、読後には満足感のある文章です。
読者が求める文章とは、文章の長さも適切で、テンポよく進む文章。さらに事実に沿った内容で、言葉づかいは誤りがなく、押しつけがましくない、そして役に立つ文章が読者の求める文章、ではないでしょうか。特に、近年のネットユーザーはせっかちです。何か違和感があれば、すぐに離脱したくなってしまう。そうなると情報も断片でしか渡せなくなってしまいます。そんなWeb上の読者に情報やメッセージを伝えるためにも文章力を磨かなければなりません。
記事を書く際にいきなり文章を書き始めるのはNGです。書く前にまず主眼と骨子を決めます。主眼とは、その記事のテーマのことです。記事の主眼を考える際に、読者の課題を解決するものを選びましょう。記事を通して、どんな課題を持った読者に、どんな解決策を提供できるのか、を常に考える必要があります。骨組みは主眼を達成するための経路となるものです。出発して道に迷わないために、あらかじめ地図を用意するイメージです。
記事にどんな要素があれば伝えたいことを十分に伝えることができるのか、その要素をすべて洗い出します。その際に、必要な要素はすべて揃っているか、内容は重複していないか、主眼とは関係ない不要な要素はないかをチェックしましょう。
最初に決めた主眼、テーマを設定します。その際、どんな切り口でいくのか、どんな切り口だと読者が抱えている課題を解決でき伝わりやすいか、ということを常に念頭におきましょう。この切り口で書き手のオリジナリティが発揮できるとも言えます。あなたなりの切り口を考えてください。
必要な要素をどれから書くのかを決めていきます。骨組みを立てるとは「何を・どれから・どれくらい」盛り込むのかを決めることです。重要なことは、基本的に最初の導入で結論を述べるということです。最初に伝えることで、読者は期待感をもって読み進められます。結論の見えないまま記事が進んでいくと、途中で読むのをやめてしまいます。
そして、各要素をどの順序で、どれくらいのボリュームで書くのか、ある程度想定しておきましょう。重要な部分は分厚く、補足的な要素であれば軽く書く、など優先度に応じて調整する必要があります。
ここまで決めたことを、A4の用紙1枚にまとめましょう。まず箇条書きで出した要素を列挙していきます。並んだ要素を眺め、主眼を見極め、一番上にテーマを書き込みます。どの話題から切り出していくか順番も書き込みます。それが決まったら、順番通りに話題を並べ替えた、書き直しをします。そしてアピールしたい優先度を項目の右側にABCの3ランクで格付けしていきます。
書き直しの作業が面倒くさいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひやってください。順番通り書き直すことで全体が俯瞰でき、仕上がりイメージが明確になります。
いよいよ文章を書き始めます。出来上がった記事構成案をベースに肉付けしていきます。このベースを膨らませながら、文章の状態にまで修正していきます。言葉や情報を補ったり、表現や言葉遣いを調整したりしていきます。
できた文章を最初から通して読みます。読者の気持ちになって、おかしいと感じる部分をチェックしていきます。できれば、他の人にも読んでもらうのがいいでしょう。読み返しに終わりはありません。読み返すほどに、文章は磨き上げられていきます。時間の許す限り、納得のいくまで読み返し、直しを重ねましょう。
今回は読者を完読まで導く記事の書き方についてご紹介してきました。記事の書き方と言っても、文章を書き始めるのは記事構成案ができてからです。それだけ、執筆前にかける準備がとても大切です。「毎回この流れをやらないといけないの!?」と驚かれるかもしれませんが、数をこなしていくうちに慣れてくれば、大変な作業ではなくなります。むしろ、この準備がないと書けないということを実感するはずです。
記事を書くことは簡単に見えて、実はエネルギーのいる作業です。相手に伝わり、読み通してもらうことは想像以上に難しいことです。ですが、今回挙げたコツを踏まえ記事構成案を作ることで、最後まで読んでもらえる記事にできるはずです。ぜひ繰り返し実践してみてください。