データドリブンは、外資系企業やIT企業では日々飛び交っている用語の一つですが、あまり馴染みがないという方も多いのではないでしょうか。データドリブンの意味はわかるが、データドリブンを行うためのツールがわからないという声もよく聞かれます。今回は、そもそもドリブンとは?というところからデータドリブンの意味や活用方法、有効なツールまでご紹介していきます。
目次
ドリブン(driven)は英語のdriveの過去分詞であり、形容詞では「突き動かされた」の意味で使われます。日本語で「○○ドリブン」という場合は、「○○を起点にした、○○をもとにした、〇〇主導」という意味をもちます。
「テクノロジードリブン」「カスタマードリブン」「データドリブンエコノミー」など、ビジネス用語としても多く使われており、造語として新たに生み出される言葉も増えています。
データドリブン(Data Driven)とは、経営やマーケティングなど企業運営のために必要な意思決定をデータに基づいて判断し実行することを指します。
データドリブンは経験と勘に頼った経営判断を下すのではなく、売上データや各種基幹システムから生まれるデータ、人工知能からのデータを参照することで、経営状況を正確に捉えた上で意思決定の判断をすることができます。
データドリブンを取り入れることで、ターゲットを絞ったマーケティングが実行でき、無駄な施策を防ぐことができます。データを参照して施策を検討することで、独自の顧客の特徴、行動パターンを把握でき、効率よくマーケティングを行うことができます。
また顧客が商品やサービスにたどり着くプロセスも複雑化してきています。集客、見込み客化、顧客化、優良顧客化という一連の過程を俯瞰した際に、それぞれの段階で無数の選択肢を想定することができます。そのような状況の中で、データドリブンが重要視されるようになってきています。
実際にデータドリブンを実施するにあたり、以下の4つのステップで行います。それぞれについて解説していきます。
まずはデータを収集することから始まります。事前にフォーカスすべきデータを選択し、見極めることが重要です。「どのような情報を得たいのか」という分析後のゴールイメージを持つことで収集すべきデータが見えてきます。また、社内で散在しているデータを一言管理できるデータウェアハウスを導入するなどして、データを収集・管理することも求められます。
次は集めたデータを分析していきます。データには多くの情報が混在していることがよくあります。目的に合わせて、整理・分類し求めるセグメントを分析しましょう。データの整理ができたらそのデータの意味するところを抽出します。
いよいよアクションプランの策定です。抱える課題に対し、解決に向けた仮設を立て、具体的な解決案を作っていきます。プロジェクトチームで実行する場合には、いつ、誰が、何を、といった人材マネジメントまで企画しましょう。
策定したアクションプランの実行です。組織の上の人間もデジタルマーケティングの重要性を理解してもらうことがスムーズな実行のためにも必要です。そのためデジタルマーケティングやデータ分析に知見があり、かつ組織を統率できる人材がマネジメント層に求められます。
データドリブンを支援する様々なITツールをご紹介します。業務領域によってツールは異なります。必要なツールを検討する際の参考にしてみてください。
データマネージメントプラットホームとはインターネット上に蓄積された様々な情報データを管理するためのプラットフォームのことです。自社で取得したお問い合わせのデータや外部ツールで取得したWebサイト内での行動履歴などの様々な情報をセグメントすることができます。その結果、過去に商品を購入したユーザーからのリピート購入を狙ったキャンペーンメールを配信したり、ユーザーそれぞれにあったマーケティング施策を実行できるようになります。このように分析したデータを元にWebツールと連携しアクションに繋げられることも大きな強みです。
Web解析ツールとは、自社サイトのユーザー行動や検索エンジンでの結果を可視化・分析するためのツールです。GoogleアナリティクスやAdobeアナリティクスなどの製品が有名で、PV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー数)、セッション数、CTR(クリックスルー率)、直帰率などを可視化してくれます。
マーケティングオートメーションはマーケティングの作業やワークフローを合理化・自動化・測定してくれるソフトウェアのことです。獲得した見込み客の情報を一元的に管理し、選別や育成を一貫して行うことで、購買意欲の高い見込み客を営業に渡すという一連の作業を自動化する役割を担っています。近年、マーケティング活動を効率化するためのツールとして多くの注目を集めています。
カスタマーリレーションシップマネジメントとは、顧客関係管理、顧客関係性マネジメントと訳され、顧客との間に親密な信頼関係を作り、購入してくれた顧客をリピーターに、リピーターからファンになるような活動を行い、顧客との相互利益を向上させることを目指す手法のことです。
いかがでしたでしょうか。データドリブンは、消費者の価値観の多様化していく中ますます重要視されるマーケティングとして位置づけられています。データドリブンをうまく取り入れて、成果を高めていきましょう。今回の記事がデータドリブンに取り組む際の参考になれば幸いです。